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建材快適に過ごすための寒さへの備え〜オススメの暖房方法とは?

暖炉、薪ストーブ、床暖房、エアコン…新築時に導入しておくといい暖房方法はコレ!
地球温暖化が危惧され、日本にもその影響は出ているようです。
日本の年平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇していて、長期的には100年あたり1.30℃の割合で上昇しています。 特に1990年代以降、高温となる年が頻出しています。
そうなると、冬は暖かく過ごしやすくなるか?というとそうではなく、寒い時期が短くなってきているような気はしますが、やはり冬は寒くなります。
今回は、そんな寒い季節を快適に過ごすための暖房設備(暖房器具)をご紹介します。
暖房設備(建物と一体化した暖房システム。一般には、暖房器具とは区別するが、区別できないものもある)には、いろいろなものがあり、かつては、大きな石油ストーブを備え付けたり、一般家庭にも業務用の天井から吹き出すようなエアコンを設置することもありました。近年では、床下や小屋裏にエアコンを設置する方法もでてきています。(小屋裏に設置する場合は、冷房)後から追加する器具としては、サーキュレーターなどは、冷房だけでなく暖房器具と一緒に使うことで効率アップをはかるものとして、よく見るようになりました。
今回は、高増工務店がオススメする暖房設備(暖房器具)「蓄熱式床暖房」「暖炉」「薪ストーブ」を紹介します。

蓄熱式床暖房

蓄熱式床暖房とは


床暖房は足元からじんわりと部屋を暖める暖房設備です。
暖房などから熱が伝わる仕組みは「伝導」「ふく射」「対流」の3つがあります。
■伝導:物と物の接触で熱が伝わる仕組み
■ふく射:放出された熱が壁や天井に反射しながら、部屋全体に伝わって暖める仕組み
■対流:温かい空気を循環することで部屋が暖まる仕組み
床暖房は、この3つのうち「伝導」と「ふく射」によって暖まる仕組みになっています。
床暖房の種類には、大きく分けて「温水式」と「電気式」の2種類があります。「温水式」は床下にめぐらせた温水パイプに温水を循環させて暖める方式です。 「電気式」は床下に設置した発熱線や面状の発熱体に通電させて部屋を暖める方式です。また、どちらも熱源の違いによってさらに細分化することができます。
高増工務店では、「温水式」の「蓄熱式床暖房」を採用しています。温水式蓄熱式床暖房は、床面に水道ホースのようなパイプ(発熱体)を張り巡らせ、そのパイプに温水を流し温水の熱で床を暖めます。温水は、燃料として安価な灯油を使用するボイラー(灯油ボイラー)でつくります。発熱体をフロア全面に規則的に施工するため、ホールや家事室、トイレ、お家のどこに居てもムラのない暖かさを実現します。蓄熱式床暖房は、北欧デンマークの厳寒地で融雪システムとして使われている実績の高い技術を取り入れています。
この床暖房の特長はフロアのほぼ全面、お家の隅々まで暖める蓄熱式です。一般的な部分床暖房(部屋面積の60%程度)と違い「リビングは暖かいけど、トイレや家事室、廊下は寒い」といった居室間の温度差が少なく、ヒートショックの防止にもつながる理想的な暖房方法です。

蓄熱式床暖房のメリット・デメリット

●蓄熱式床暖房のメリット
・基本的に24時間暖房になるため、部屋の温度が一律で整いやすく、寒暖差ができにくくなります。寒暖差が小さいと身体への負担が軽減されて体調をくずすようなことが少なくなり、快適さ以外にも恩恵があるといわれます。
・仕組み自体はシンプルなので、床暖房自体とボイラーのメンテナンスを除けば、特別負担が増えることもありません。他の暖房器具に比べてメンテナンス費用が少なく抑えることが多いです。
●蓄熱式床暖房のデメリット
・蓄熱した熱を利用しているので、温度のコントロールはできません。温めすぎたときには、換気をするなどで対応する必要があります。ですが、冬場には換気が必要となるので、大きなデメリットではないかもしれません。
・新築でないと設置が難しいです。床下に蓄熱設備を設けなければならないため、リフォームでの設置は物理的に難しくなります。その場合、設置コストは高くなることがあります。つまり、初期投資が必要になる床暖房なのです。
しかし熱効率を追求した暖房システムであることに加え、建物の気密・断熱と計画換気をしっかりと施せば、冷房費も含め光熱費が少なくなることが見込めます。
蓄熱式床暖房は、デメリットもカバーできる暖房設備であるので、長い目で考えて設置を検討してみてください。

 

暖炉

レンガの家(レンガ積みの家)と暖炉〜ベストマッチの理由


海外の映画やドラマによく登場する暖炉は、洋風の雰囲気にマッチする憧れの暖房設備かもしれません。
暖炉に繋がる煙突は、サンタクロースの通り道であったり、はたまた、悪役がお家に忍び込む通路であったりもします。そんな、エンターテインメントにも欠かせない暖炉は、薪をくべるスペースがレンガや石などで造られているものが多く、暖炉本体が壁に埋め込まれていて、暖炉の中に薪を入れて燃やすことで、部屋を温めることができます。
家族が集まるリビングの中心にあり、暖房設備として冬場に室内温度を上げてくれるのはもちろん、オシャレな上に使わないときでも温かみを醸し出す存在です。
特にレンガのお家(レンガ積みのお家)との相性は、抜群です。暖炉を設置することで、外観には煙突がうまれ、温かみのある洋風のお家になります。
暖炉には、いくつかの種類があります。
●薪暖炉
暖炉と聞いて、まず浮かぶのがこの薪暖炉ということが多いと思います。薪を燃やして火をおこし、炎で部屋を暖めます。この炎には、「暖をとる」ほかにもリラックス効果もあると言われています。炎の揺らぎは「1/fゆらぎ」と呼ばれる波動の一つで、心臓の鼓動や打ち寄せる波の音と同じリズムです。その動くリズムを見ていることで心地よく落ち着くためリラックスできるのです。
●ガス式暖炉
ガスを使って火を灯す種類の暖炉です。ガスは、点火スピードが速いので、スイッチをいれてから、暖まるまでの時間が早いことが特長です。薪暖炉のような炎を味わうこともできるので、本格的な暖炉(薪暖炉)に比べ、手軽に楽しめる暖炉です。
●電気式暖炉
電気を使った暖炉です。ガス式とは違い本物の炎を扱いません。暖炉の中では、イミテーションの炎が揺らぎます。また、炎がでないため煙突の設置もいりません。
●バイオエタノール暖炉
バイオエタノールを燃料とするこの暖炉は、煙が少ないため煙突が必要ありません。バイオエタノールは、サトウキビやとうもろこしからできた燃料を使います。新築時の設置はもちろんですが、住みはじめた後で設置することも可能です。

暖炉のメリット・デメリット


●暖炉のメリット
・<インテリアの中心として>薪暖炉のように炎を見ることのできる暖炉のメリットは、先にも触れましたが、その他のメリットとして見た目のオシャレさが上げられます。レンガ積みの暖炉は、重厚感もあり、火がついていても消えていても存在感抜群です。暖炉は、通常リビングに設置するので、家のインテリアの中心として存在するかもしれません。
暖炉の上には飾り棚のように使えるスペースもあるので、映画によく出てくるように写真や小物を飾ったりして、オシャレな演出も可能になります。
・<もしもの時には>電気やガスを使わない仕様の暖炉なら、公共インフラを使うことがないのでその光熱費は不要です。薪は別途費用がかかりますが、調達方法を工夫すると節約することもできます。何かのアクシデントで電気やガスが止まっても薪暖炉があれば、部屋を明るくして暖めることもできます。暖炉は、もしもの時にも重宝するでしょう。
●暖炉のデメリット
・<コストがかかる>暖炉は暖炉本体と煙突(※一部煙突が不要なものもあります)が必要となり、それを設置する費用も必要となります。ですが、前述の通り暖炉には、暖房設備以上の利用価値もあるので、コストバランスを考えて設置するのが吉です。
・<メンテナンスが必要になる>木材を燃やす薪暖炉は、燃やした際にでる煤が、暖炉内や煙突にたまることで、燃焼効率が低下し、暖房効率がさがります。そのため、定期的に掃除が必要になります。自分ですることもできますが、面倒な場合は、業者に依頼する必要があります。
・<換気も必要>薪暖炉の場合、煤の他に一酸化炭素、二酸化炭素も発生します。煙突があるので、基本的にダンパーなどで煙突を閉じなければ、一酸化炭素も二酸化炭素外部に排出されます。ですが、温度調節や薪を燃やす際に必要となる酸素を取り込むためにも、定期的な換気が必要となります。
・<火傷に注意>小さなお子様がいるお宅では、特に火傷に対する注意が必要です。炎に近づきすぎないことはもちろんですが、暖炉に使う道具なども熱くなっていることもあり、お子様から遠ざけたりすることも大切です。

 

薪ストーブ

薪ストーブの人気の秘密


近年のアウトドアブームや北欧家具の人気にともなって、薪ストーブは人気のある暖房器具です。
いっけん、暖炉と同じだと思われやすい薪ストーブですが、大きな違いがあります。
まず一つ目は、造りそのものが違います。薪ストーブは、壁や床を守る炉台の上におくのが一般的。薪をくべるスペースが鉄で造られているだけでなくガラス扉があり、ストーブ部分は建物自体からは切り離されています。ストーブの上には、物を置けるため、やかんを温めたり、オーブンとしても使えるため気軽に料理が楽しめます。
二つ目は、煙突のカタチです。薪ストーブの煙突は、室内から壁を抜けて外にでるように設置します。暖炉の場合は、壁と一体になっているので、煙は、壁を通り抜けるイメージです。最近では、薪ストーブの種類としてペレットストーブがあります。ペレットストーブの煙突は、壁に横出しの排気筒を通すだけの構造で、暖房や薪ストーブと比較すると発生する煙が少ないのが特長です。電気を使用するものものあり、火力の自動調節などの機能が使えるものもあります。
三つ目は、熱効率や暖房機能です。薪ストーブは鉄でできた本体が露出し扉で密閉しているので放射熱を発します。離れたところにも熱が届き、家全体が暖まりやすいです。暖炉は、薪を燃やすとその熱の多くは、煙突から直接外に出ていきます。そのため暖炉の近くの空気しか暖まりません。また、薪ストーブには、2種類の暖房方式があります。蓄熱性があり火が消えてからもしばらく暖かさが続く「ふく射式」と、速暖性があり早く温まる「対流式」です。

薪ストーブのメリット、デメリット

薪ストーブのメリット・デメリットは、暖炉と同じですが、大きく違うものといえば、煙突の排出が合えば、本体そのものを交換することができることでしょうか。薪ストーブには、未来的な外観をしたものから、アンティークなものまで様々なものがあります。経年使用の後、気分を変えて別なデザインのものに交換する…なんてこともできます。

 

施工例

1stBASE-007 グリークヒルズ


イギリスの邸宅を彷彿させるこのお家は、外観のレンガと漆喰のコントラスト、外に張り出したヘキサゴンのお部屋は、ゲストと会話を楽しむティールームになっています。
内装もまた、イングランドの雰囲気をまとった洋風のインテリアで統一されています。リビングルームの真ん中には、暖炉が設置され、部屋の中心として佇んでいます。ダイニングは、青い壁紙と白い窓が洋風のイメージをさらに醸しだした空間となっています。
また、一見、2階建てですが、屋根裏には、プライベート空間も用意していて、書斎などとして使用されています。
このほかの画像は、こちらの施工例をご覧ください。

レンガの家-001 U様邸


レンガ積みの外観が美しいお家です。
玄関ポーチと上部の飾り窓にはアーチ壁を採用していて、シンプルな中に変化をつけるアクセントとして機能しています。室内は、天井が高く、平屋の利点を存分に味わえる空間になっています。
リビングルームに鎮座する薪ストーブは、新築時から考慮され設置しているので、レンガの灯台と煙突も外観にも反映され、その中を通すように薪ストーブからの煙突が通っています。
白い壁と濃い色の無垢材とのコントラストをもつインテリアは、ヨーロッパにあってもおかしくない空間です。
このほかの画像は、こちらの施工例をご覧ください。

レンガの家-006 I様邸


レンガと階段の白い手すりのコントラストが美しい、小高い丘の上に建つレンガのお家。門柱を含む門全体もレンガ積みにて施工しているので、門をくぐった時から、洋風の雰囲気が漂います。階段を上がるとアーチ壁を施した玄関ポーチ。
室内は、白で統一され、ギリシャ風の柱やアーチ壁を随所に施すことで、単調になりがちな室内に変化を与え、洋風の空間をつくっています。リビングの床は、無垢材のフローリングですが、キッチンは正方形のタイルを敷きつめお部屋毎に雰囲気を変えています。斜面を利用した地下室もあります。
圧倒的な存在感で、目を引くキッチンとリビングの間に佇む暖炉は、どちらの部屋からも開閉、使用できる珍しい暖炉です。
このほかの画像は、こちらの施工例をご覧ください。

 

高増工務店が、考える暖房方法

ツーバイフォー住宅と断熱材


高増工務店が採用しているツーバイフォー工法は、耐震性に優れると共に機密性、断熱性にも優れています。
ツーバイフォー工法は、工場で作ったパネルを組み合わせ家を建てていくため、パネル間の隙間を小さくすることが可能です。そのためツーバイフォー工法は、気密性が高くなる傾向があります。高気密な住宅は、換気や暖房・冷房をコントロールしやすくなるため、冷暖房効率が高くなり、快適な空間をつくりだします。
また、断熱性は、天井・外壁・床下・基礎に使われる断熱材の種類と厚さ、窓や玄関ドアの断熱性能によって決まります。ツーバイフォー工法と断熱性とには直接関係がないですが、適切な断熱材を組み込むことで、断熱性のアップが期待できます。
このツーバイフォー工法+蓄熱式床暖房+暖炉または薪ストーブの組みあわせは、寒い季節も快適に暮らすことのできる一つの方法としてオススメしています。
また気密性、断熱性に優れているということは、夏場の冷房効率も抜群です。いったん冷やされたり暖められた空気は、気密性、断熱性の優れた空間では、一定の温度が続き、何度も冷やしたり温めたりする必要がなくなり、効率的に快適空間をつくることができます。
高増工務店では、外観や内観のデザイン性だけではなく、こうした住宅性能も追求していますので、安心してご相談ください。


高増工務店では、新築、リフォームなどお家に関するお問い合わせ、ご相談を承ります。
下記の「お問い合わせ・資料請求」「お家づくり相談」よりお気軽にお問い合わせください。・
また、完成したお家をじっくりご覧いただけるイベントも定期的に開催しています。ご都合のよいときにご参加お待ちしています。

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