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建築注目の「スペパ」住宅〜空間を有効活用するポイントとは?

スペパとは、スペースパフォーマンスの略です。「空間対効果」を表す言葉で、お家づくりの現場で昨今注目を集めるワードです。単に空間を効率的に使うだけでなく、限られた空間で最大限の効果を発揮するように本来デッドスペースとなるスペースを活用したり、1つの空間や設備で2役を兼ねることで快適性を高めることをさしているようです。
こうした考慮を重ねたお家をスペパの高いお家といわれています。
スペースという言葉を使っているせいか、コンパクトなお家や平屋のことと勘違いされそうですが、実際には、「敷地は狭いけど広く感じる」とか「家族との距離が近くなる」「暮らしに余白が生まれる」といって高品質な空間を造ることを目標としています。
高増工務店が施工エリアとしている四日市をはじめ、北西アリアのいなべ市・桑名市・鈴鹿市・亀山市、桑名郡(木曽岬町)、員弁郡(東員町)、三重郡(菰野町・朝日町・川越町)、中部エリアの津市、松阪市、伊勢市、志摩市、度会郡を中心に、また愛知県の一部などのお客様からもスペパに関するお問い合わせも増えてきました。今回は、そんなスペパをどう考えたらいいか、みていきましょう
目次
スペパ〜みんなが気になる理由とは
コスパやタイパとの違い
※写真はイメージです。
まず、コスパやタイパとは、どんなものなのか振り返ってみます。
●コスパ=コストパフォーマンス
こちらは、「費用対効果」を意味していて、かけたお金に対してどれだけ効果が得られるかを示した指標です。
●タイパ=タイムパフォーマンス
こちらは、「時間対効果」を意味しています。掛かった時間(タイム)に対してどれだけ効果がえられるかを示します。高増工務店の施工エリアでは、特に若いお客様からよく聞かれる言葉です。
●スペパ=スペースパフォーマンス
「空間対効果」を意味します。必要な空間(スペース)に対してどれだけ効果が得られるかを示します。
スペパは空間の使い方を最適化することで、住まいの価値を高めることを目指しているとされています。「スペパの高い住まい=無駄のない空間で効果を最大限に引き出す住まい」とされるため、スぺパを意識することでコスパやタイパも高まるケースも多くなることが多いです。
注目される理由
スペパが注目される理由には建設費の高騰が大きく影響しているとされています。
高騰の原因は、「慢性的な職人不足による人件費の増加」や「働き方改革による労働時間の削減」、「ウッドショックやウクライナ問題などにおける原材料価格の高騰」、「円安の影響」などがあげられ、建設費は年々右肩上がりに増加しています。
2020年度には、平均124.4平方メートルであった建設面積は、2023年度には、119.5平方メートルとなっています。反面、建設費は2020年度に3533.6万円であったものが、2023年度には、3861.1万円となっています。
(出典/住宅金融支援機構:フラット35利用者調査 https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html)
そのため近年注目されているのが、住宅のコンパクト化です。
核家族や夫婦2人暮らし、シングル世帯などが増えたことで、お家を広く使うのではなく、必要なものを必要なだけ用意して、生活に合わせた最低限のスペースを用意するコンパクトな生活を選ぶ方々が増えてきています。こうした流れで、タイニーハウスやトレーラーハウスなどが注目され人気となっています。
スペパがもたらす暮らしとは?
スペパを意識することで家づくりにどんな変化があるでしょうか?
①効果的な空間の利用が可能になる
スペパを意識することでデッドスペースやムダな動線が少なくなります。特に収納などのスペースが効率的に設計されることで、モノの整理整頓がしやすくなったり、物を探す手間も減ることで、時間が節約さる事につながります。
②コスト削減に
収納スペースや空間を無駄なく使うためにモノを購入する前に「本当に必要かどうか?」を考えるようになり、節約の意識が高まります。
1つの空間で複数の使い方を意識できれば、必要なスペースだけを利用できるため、建設費も抑えることが可能になります。
③ストレスの軽減が期待できる
動線がスムーズになるよう設計されるため、日常の移動や家事の効率も高まります。そのため時間的な余裕が生まれ、ストレスの軽減につながります。ですが、動線は、広さに関係なくスムーズにすることは可能ですのでお家を造る際には、設計する方に必ず希望を伝えることをおすすめします。
スペパのためのアイデアとは?
縦割りにした空間活用
※写真はイメージです。
スペパの高いお家づくりをするためにまず考えるのは、「空間を縦に使うこと」です。
例えば、子ども部屋を例にして考えるとベッドと勉強机の配置が挙げられます。平面に別々で配置した場合それぞれの設置スペースが必要になりますが、デスクの上にベッドを設置すると、部屋を縦に利用することになります。そうすることで部屋自体の広さも縮小でき、スペパが高まります。また、お部屋にロフトを設置することで、収納や睡眠場所として利用でき、日常生活を送る空間と分けて考えることにつながります。
リビングとダイニングの一体化
スペパを意識した間取りの1つにリビングダイニングの一体化があります。
通常食事をするスペースとしてのダイニングとくつろぐ・団らんの場として使われるリビングは別々の用途で使われます。
一般的にダイニングにはダイニングテーブルや椅子、リビングにはソファやテレビなどが配置されます。
しかし、ライフスタイルによっては必ずしも分かれている必要はありません。同じ室内にいながらも別々のことをやっていることも増え、昔のように1つのテレビ番組を家族みんなで見る姿も少なくなってきました。そんな理由があるのであれば、最初から大きなソファを置くのではなく、小さなソファで十分、どうせみんなで集まらないなら最初からソファをなしにしてしまうという考え方もできます。
家具を置いてしまうとその用途でしかその空間が使えなくなってしまうため、あえて何も置かない余白部分をつくることもスペパを意識したお家づくりには、重要になります。
LDKに置くものとして、「ステルス家電」を使うことも有効なアイデアになります。
例えば、照明一体型スピーカー、照明一体型3in1(シーリングライト、プロジェクター、スピーカー)。照明にスピーカーをつけることで、費用もスペースも削減できます。さらにプロジェクターが一体となっているものは、テレビやモニターの設置場所の確保を少なくすることができます。ほかにも、冷蔵庫一体型のリビングテーブルやサイドテーブル一体型の空気清浄機などもあります。用途と使いやすさを考慮して採用するようにすると効果が期待できます。
バルコニーをつけない選択
共働きなので、基本的に洗濯物は室内干し、または乾燥機を使っているという方やランドリールームを考えている方にはバルコニーをつけないという選択もアリです。バルコニーをなくすことで、防犯性も高まり、掃除やメンテナンスも削減できます。外観がシンプルになることで、コストも抑えられます。ですが、大きな布団を干したり、バルコニーへの掃き出し窓がなくなることで窓面積が小さくなり日射が減るなどのデメリットもありますのでバルコニーをつけない場合は、よく考慮することが大切です。
小屋裏の使い方を考える
小屋裏とは天井と屋根の間にあるデッドスペースを指します。洋風のお家では、一般的にこの空間をきちんと整え、収納や趣味のスペースなど様々な用途で使っています。(もちろん、必ずつけるものではないです。)一定の高さや広さを超えてしまうと居住空間とみなされ固定資産税も高くなってしまうため、採用率は高くなかったものの、コンパクト化の影響もあり、近年では平屋×小屋裏の1.5階建ての住まいも増えてきました。ですが、空間が屋根と直接となるため、屋根断熱が必要になったりすることもあるので、逆に費用が掛かることも考えられます。
施工例にみるスペパのアイデアを取り入れたお家
床暖房のあるレンガと漆喰の平屋のお家(1stBASE-033 I様邸)
白いしっくいとレンガが良く似合うお家。
外構にもレンガを使用しているのでとても統一感があります。季節のお花も似合いますね!
室内はシックな色で仕上がっていてとても落ち着きがあります。リビングにはレンガでつくった壁があり、とても重厚感がある空間になっています。洗面には造り付けの棚もありとても使いやすそうです。写真にはありませんが、書斎もあります。
大きなウォークインクローゼットや屋根裏を利用した大きな収納もあり、収納力の高いお家です。
蓄熱式床暖房を採用しているので冬の厳しい菰野町でもポカポカ暖かく過ごすことができます!
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。
しっくいの外壁とレンガ積みが似合う大屋根のお家(1stBASE-024 O様邸)
しっくいの外壁とレンガ積みが良く似合う大屋根のお家。モデルハウスのディヴァインをモチーフにしています。
高低差のある敷地ですが、スロープで敷地奥に自転車を持っていくことができます。
子供たちの勉強など見やすいようにキッチンカウンターを勉強机にしました。カウンター前の壁はマグネットが付く仕様してあるので学校からもらったプリントやメモを貼り付けることができます。
リビングには大きな吹き抜けがありますが、蓄熱式の床暖房が施工してあるので冬でもポカポカ暖かです。ペットで飼っている爬虫類もあえて暖房をしなくてもいいようです。
また、リビングには映画に出てくるような隠し扉の本棚を作りました。日々の生活にも遊び心があると楽しいですね。
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。
レンガ+漆喰+サイディングの平屋のお家(1stBASE-003 I様邸)
2人住まいの平屋のお家です。
レンガ、漆喰、サイディングを採用した落ち着いた雰囲気の外壁。一部は、階高までレンガを積んでいるため、外壁のアクセントとしてのメリハリのあるものとなっています。二つの切り妻を合わせた屋根は、落ち着きの中に大人かわいい要素も入れるのに一役かっています。
コンパクトなお家ですが、アーチ壁を用いたおしゃれな玄関を入ると、しっかり玄関脇収納を備えていて、靴の収納だけでなく、ちょっとしたアウトドアグッズなどしまっておけます。
リビングには、一面だけレンガの壁にしているので、落ち着きと重厚感が増します。
コンパクトに見えるキッチンは、作業場所が広く、また、棚は造作なので壁と一体感があるだけでなく、キッチンを広く使えます。シンク側は、カウンターも備えているので、リビングを見渡せて一体感があります。コンパクトなキッチンには、必要なものだけを置けるようにキッチン横にはパントリーを設置しています。
洗面台は、造作になっているので、鏡が大きくゆったりと使用できます。
防音を施した、グランドピアノを設置できる広さのピアノ室には、一面を楽譜や小物を置くのに便利な棚を設置しています。こちらも造作ですので、高さを自由に変更するようになっています。
延床面積28坪ほどの広さの中に、ゆったりとおしゃれな空間がひろがります。
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。
スペパ、コスパ、タイパ…最後の決め手は…
効果を追求は大事なこと。でも、決め手は…
今回は、スペパを考慮することで生まれるお家づくりのアイデアをいくつか見てきました。
高増工務店は、こうした効率化を考える際には、まずお客様のライフスタイルをお聞きしています。ライフスタイルによっては、広いリビングが必要になることもありますし、敷地をふんだんに使うことが家族の皆さんが長く住んでいけるお家になることが期待できることもあります。
お家づくりで大切なことは、時流に流されず、ご自身のライフスタイルをアシストできるそんなお家を考えていくことだと思っています。もちろん、スペパに限らず、コスパやタイパを考慮していくことは、大切なことです。ですが、ご自身が本当に住みたいと思えるお家は、時として効率化と離れた方向になることもあり得ることなのです。
私たちは、お家づくりに後悔をしてほしくないと思っていますし、長いお付き合いになると思っています。そのために、何度もお打ち合わせや確認をしていただき、また、積極的に効果的なアドバイスを行っています。お家づくりは、一生のうちに何度もするものではありません。「注文住宅は、3回くらい建てないと満足しない」という方もおられます。ですが、そんなに何回もできるものではないからこそ、後悔しない満足のいくお家づくりをサポート、施工したいのです。お家づくりには、経験にエビデンスを持つ事柄が、とても多いです。だからこそ、何度も打ち合わせをして、決めていくことが必要になります。高増工務店では、こうした打ち合わせ大歓迎です。もちろん、「まだ、お家をつくるか決まってないけどこんなこと聞きたいな」とか「わからないことがありすぎて、どこからはじめていいか…」といった、お問い合わせも大歓迎です。
高増工務店は、創業以来、半世紀以上多くの施工実績があるので、空間づくりは、経験に基づくアイデアが一番です。こうしたアイデアや施工実績には、「地場のアイデア」もあります。地場のアイデアは、施工エリアの気候や風土、人気や特製などを考慮した提案のことです。設計士が内部にいるので、検討内容を整理して、しっかり考えていただいて、納得のいくお家を提供しています。お家のことなら、新築でもリフォームでもどんなことでもお気軽にお問い合わせください。相談にしたからといって、必ずお家を購入しなくても大丈夫です。オンラインでも対面でも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。資料請求もお待ちしています!
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また、完成したお家をじっくりご覧いただけるイベントや季節に合わせたイベントも定期的に開催しています。ご都合のよいときにご参加お待ちしています。