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建築洋風のお家の「窓」を考える〜合わせて窓の性能も[施工例付]

洋風のお家を彩る「窓」のカタチ
洋風のお家は、海外のデザインを反映するために「両開き」や「折れ戸」「ドレーキップ窓」といった窓が選ばれます。こうした窓は、日本でなじみのある引き違いの窓と比べると機密性は高めです。また、窓の施錠として、日本では主流のクレセント錠は、引き違い窓は外から鍵本体が見えるため防犯性が高いとは言いがたいです。
窓は、「採光」「通風」「眺望」の3つの役割を果たします。近年では、窓が住宅性能の向上に一役買っています。また、外観の印象にも大きく影響するのでデザイン性も大きなポイントです。
今回は、そんな「窓」について、その種類や性能、選び方のポイントなどを紹介します。施工例も合わせてご覧いただき、お家づくりの参考にしてください。

窓の種類とかたち

和風の窓


※写真はイメージです。
窓にも和風のお家に似合うものと洋風のお家に似合うものがあります。ここでは、伝統的な和風のお家に使われている種類を紹介します。
●格子窓(こうしまど)
縦横に格子が組まれた窓。防犯やプライバシー保護、採光、通風の役割を果たします。
●円窓(えんそう)
丸い窓。禅寺や茶室で、外の景色を額縁のように切り取る「借景」として用いられます。.
●数寄窓(すきまど)
数寄屋建築に用いられる窓。下地窓の現代版で「竹窓」「和風窓」とも呼ばれます。
●明かり窓(あかりまど)
採光を目的とした窓。茶室などの小窓や舞台装置の一部としても用いられます。.
●下地窓(したじまど)
障子や襖の下地として用いられる窓。竹窓(竹格子が付けられた窓、あるいは前に竹が植えてある窓)の元となる窓です。
●無双窓(むそうまど)
換気、採光、眺望などを目的とした窓。格子がないため開放感があります。
●与力窓(よりくまど)
武者窓とも呼ばれ、江戸時代の役宅に設けられる窓。横向きの太い格子が特徴です。
●連子窓(れんじまど)
縦横に連子格子を並べた窓。寺院建築で使われることが多いです。
こうした和風の窓は、現代の住宅にも多数取り入れられています。円窓などは、和風モダンのデザインによく使われています。
 

洋風の窓


※写真はイメージです。
洋風の窓には、和風のものとは違った趣があります。よく使われ、特長的なものを紹介します。
●上げ下げ窓
上下2枚の窓がそれぞれ開閉するタイプです。上窓のみが固定され、下窓のみが上下に開閉する「片上げ下げ窓(シングルハング)」も人気があります。和風の窓の多くは、左右に開きますが、開け閉めの方向が上下になるだけで洋風の雰囲気が高まります。
●すべり出し窓
ハンドルを回して外側に押し出す、または手前に引いて開閉するタイプです。縦すべり出し窓と横すべり出し窓があり、用途やデザインに合わせて使い分けられます.
●内倒し窓・外倒し窓
窓枠の上部または下部を軸に、内側にまたは外側に開くタイプです。内倒し窓は、室内側に窓を倒して開閉するため、雨の侵入を防ぐことができます。近年では、1つの窓で内開きと内倒しの2通りの開け方ができる縦長のツーアクション窓(ドレーキップ窓)も人気があります。内開き時は室内側に大きく開くためメンテナンスに適していて、内倒し時は窓の上部が少し開くので換気に便利です。
●FIX窓
開閉しない窓で、主に採光やデザイン性を重視して使われます。天窓によく使われます。
●ハーフラウンド窓
半円の窓で、掃き出し窓の上部や玄関ドアの上などに設置されることが多いデザイン窓です。FIX窓ですので開け閉めはありませんが、採光とデザインが際立つ窓です。
●天窓
天井につける窓です。開け閉めできるものにすると一見、雰囲気があって機能的にみえますが、メンテナンスがたいへんになることが多いです。FIX窓を利用しても基本的には、年1回は、清掃やパッキンのチェックを行わないと雨漏りの危険性が高まります。天窓を設置する際には、こうしたメンテナンスやランニングコストも考慮することが大切です。
 
このほか、:出窓、コーナー窓、スリット窓など、窓の形状や開閉方法を組み合わせたデザインも洋風住宅でよく使われます。
 

洋風の窓の開閉方式とデザイン


前述の通り、和風の窓は引き違いが多く「横長」のデザインが中心です。一方で洋風の窓は上げ下げ窓やすべり出し窓などの「縦長」の窓が中心です。
また和風のお家の窓には雨戸の戸袋が付いていることが多く、それも和風の印象を強めている要素のひとつになっています。
洋風の窓の特徴的なデザインのひとつが、窓まわりを縁取る太い飾り枠です。このような飾り枠をトリム、またはモールと呼び、外観デザインを華やかに彩ってくれます。飾り枠には、フラットなタイプの他に、植物や王冠のようなデザインが施された装飾的なものもあります。
ほかにも窓に飾り格子を入れたり、円形や多角形の窓を組み合わせたり。また飾り雨戸や花台を取り付けるなど窓まわりを装飾的に美しく彩れば、まさに洋館のような雰囲気に。
洋風のお家の窓は装飾品のような存在ですので、特長的なものが多く、そのため外観の印象を左右するものも多くなります。

植木鉢やプランターなどを窓辺で楽しめるフラワーボックスは、縦長の窓と組み合わせて、雰囲気を高めてくれるアイテムです。
屋根にドーマーを取り付けると、更に本格的なイメージになります。ドーマーとは屋根から突き出した小さな三角屋根のことです。ヨーロッパで古くから見られる様式で、アメリカンハウスでもおなじみのデザインです。日本では鳩小屋と呼ぶこともあります。

こうした縦長の窓は、レンガのお家やラップサイディングを施したアメリカンハウスによく似合います。
 

 

窓の性能とは?

断熱性能


窓の性能は、断熱性、日射熱取得・遮蔽性、気密性、耐風圧性、水密性、遮音性、防犯性、採光性、眺望性、耐久性など、様々な項目で評価されます。
中でも断熱性能は、エネルギー効率の観点から、近年注目されています。窓の断熱性を高めるだけで、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるお家に。(もちろん、窓だけではなく、壁や天井にも断熱は必要ですが…)
こうした断熱性能は、洋風のお家も和風のお家も関係ありませんが、より快適でエネルギー効率の高いお家には、考慮される項目です。
 

防犯性能

空き巣・強盗の侵入経路として最も多いのが「窓」といわれています。
これまでは、鍵をかけ忘れた場所からの侵入が多かったのに対して、年々手口が巧妙で凶暴化しています。最近は工具で派手にガラスを破って侵入するケースも珍しくありません。
こうしたケースに対応するのには、次のような対策が有効と言われています。
●割られにくい窓ガラスにする
「安全合わせ複層ガラス/防災安全合わせ複層ガラス」が有効です。2枚のガラスの間に中間膜をはさんであるので、ガラスを破壊しようとしても、ヒビが入るだけで割れにくいという効果があります。
●面格子をつける
面格子をつければ、物理的に窓を守ることができます。通常のドライバーでは取り外せないねじ(ワンウェイねじ)や、ねじを隠すブラケットカバーあるものも有効です。
 

そのほかこんな性能も


次のような、窓の性能も考慮すると、より快適なお家になります。
●採光性能
窓を通して室内へ自然光を取り込む能力です。建築基準法では、居室の床面積に対して7分の1以上の有効採光面積が必要とされています。具体的には、窓の位置や大きさ、材質によって採光の効率が異なります。
●眺望性能
窓から見える景色や風景が、居住者にとってどれだけ満足できるか、その視覚的な快適さを評価する指標のことです。眺望の距離、視線の障害物、眺望の方向、開口部の形状などが、眺望性能を左右する要素です。
●遮音性能
室外からの騒音をどれだけ遮断するかを示す性能です。JISで定められた遮音性能の等級(T値)は、T1(遮音性低)からT4(遮音性高)まで4段階に分けられています。一般的な住宅用サッシはT1程度ですが、遮音性能を高めるには、複層ガラスや二重窓、防音サッシを選ぶなどの対策が必要です。
●水密性能
風に伴った雨のときに、屋内への雨水の浸入をどの程 度防げるかを示す性能で、W-1、W-2、W-3、W-4の順に 水密性が高くなります。 雨水の浸入は降雨量よりも風圧力が深く関係しています。
 

 

窓が特徴的なお家[施工例]

ハーフラウンド窓が似合う北米スタイルのお家(レンガの家-010 I様邸)


ジョージアンスタイルを基にしたデザインです。建物全体をレンガで施工し重厚感を醸しだしています。玄関上のハーフラウンド窓がお家全体のファサードのアクセントなっています。
42坪で3LDKと各部屋をゆとりのある大きなサイズにしたことで家族それぞれがプライベートでもゆっくりできるようになっています。お庭にはウッドデッキを設け休日のブランチやご家族そろってのBBQスペースになっています。
高台に建っていることもあり2階からの景色はとてもよく鈴鹿の山々まで眺めることができます!
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。
  

大きなキッチンのある青のお家(1stBASE-028 N様邸)


鈴鹿の海の近くに建つ青い外壁が似合うお家。
大きなウッドポーチはワンちゃんの部屋からも出入りできるので家族みんなで楽しめます。
将来英会話教室ができるように設けた1階の書斎は、生徒さんたちが自宅の玄関を使用しなくても出入りできるようにと屋根付きポーチを作ってあります。
リビングは大きな吹き抜けがありとても開放的です。また、吹き抜けにはキャットウォークがありかわいさを演出しています。
キッチンはキッチンハウスのオーダーキッチン!4口コンロや七面鳥が焼けるほど大きなオーブンを採用したりアメリカンな仕様になっています。このように充実した設備のキッチンはドラマに出てきそうで理想的ですね。
また、蓄熱式床暖房が完備されているお家なので大きな吹き抜けがあってもポカポカでゆっくり過ごせます。
毎日の生活が楽しめるそんなお家ですね!
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。
 

特徴的な塔屋のあるガレージハウス(1stBASE-005 K様邸)


シンボル的な8角形の塔屋が目を引く建物です。
ガレージは、全体にレンガ積み。様々な色彩のレンガを用いているため単一の色ではできない風合いを醸し出しています。このレンガ積みは、塔屋の下部まで続き家を一回りしています。白い壁とのマッチングが美しいアクセントとなっています。
石畳のアプローチからエントランスのアーチも美しく全体にピッタリです。
塔屋の室内は、お客様をおもてなすティールームなっています。屋根にのるドーマー(窓)も室内に光を取り込みます。
室内の壁にもレンガをアクセントに使っているので、味わいのあるインテリアに仕上がっています。
こんな洋風の家にも和室を完備しています。洋風の家でも不思議と和室はマッチするように純和風ではなくうまく室内の調和を保つように工夫をしています。
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。
 

 

好きな窓のかたち

窓のかたちを知るとお家のイメージが見えてきます



お家づくりを考えるとき、間取りから考える、機能から考える、水回りから考える…などなど、アプローチの仕方はいろいろあります。
窓選びもそのひとつです。前述の通り、外観の印象を左右する要素ですので、好みがはっきりでます。
ですが、注意点もたくさんあるアイテムの一つでもあります。窓は、汚れやすいですし、キズも着きやすいアイテムです。ですので、メンテナンスがしやすかったり、劣化しにくい素材やデザイン的にカバーしたりすることも必要になります。他関す工務店では、こうしたアドバイスを積極的に行います。伝え方を間違えると、「つけたくないだけ」とか「面倒だから」と思われてしまうかもしれないことですが、お家づくりは、一生のうちに何度もするものではありません。「注文住宅は、3回くらい建てないと満足しない」という方もおられます。ですが、そんなに何回もできるものではないからこそ、後悔しない満足のいくお家づくりをサポート、施工したいのです。
お家づくりには、経験にエビデンスを持つ事柄が、とても多いです。だからこそ、何度も打ち合わせをして、決めていくことが必要になります。高増工務店では、こうした打ち合わせ大歓迎です。もちろん、「まだ、お家をつくるか決まってないけどこんなこと聞きたいな」とか「わからないことがありすぎて、どこからはじめていいか…」といった、お問い合わせも大歓迎です。
 
高増工務店は、創業以来、半世紀以上多くの施工実績があるので、空間づくりは、経験に基づくアイデアが一番です。こうしたアイデアや施工実績には、「地場のアイデア」もあります。地場のアイデアは、施工エリアの気候や風土、人気や特製などを考慮した提案のことです。設計士が内部にいるので、検討内容を整理して、しっかり考えていただいて、納得のいくお家を提供しています。お家のことなら、新築でもリフォームでもどんなことでもお気軽にお問い合わせください。相談にしたからといって、必ずお家を購入しなくても大丈夫です。オンラインでも対面でも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。資料請求もお待ちしています!


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