COLUMN
コラム
インテリアくつろぎの空間は“床”から?〜床からはじまる空間構築

とはいっても、「どんなものがあるかわからない」「色や素材が多すぎて、なかなか自分で選べない」「メンテナンスがたいへんなものあるかもしれない…」など、分からないことがいっぱいかもしれません。
また、床は、一度住みはじめたら、簡単に変えることが難しいものです。したがって、お家の中では、長いお付き合いになるパーツの一つであるといえます。簡単に決めると後悔しそうだし、そうかと言って決め手がないままだと、納得行かないものになってしまいそう。そんなお悩みをもつ方も多いのではないでしょうか
今回は、そんな方にもぜひ参考にしてほしい!インテリアの基本となるといっていい床のお話しです。
目次
「床」をほりさげて知ってみよう
床材の種類
床材には、次のようなものがあります。
●フローリング
フローリングは、木材を加工した床用の建材です。主に表面材と合板基材をあわせている複合タイプとそのまま使用した単層タイプがあります。木目の風合いを好み、部屋のテイストに合わせられる床材をお考えの時におすすめです。複合フローリングなら、カラーバリエーションやランクもたくさんあるので、費用に応じた床材を見つけることが比較的簡単です。また足触りが快適な無垢フローリングは、経年変化による木の艶や表情を楽しめ、こだわりのお部屋にしっくりくるかもしれません。
①突板フローリング[複合フローリング]
天然木材を0.3~0.6ミリ程度の板を表面材として合板を接着加工した複合フローリング
②シートフローリング[複合フローリング]
表面材が樹脂やポリマー化合物のオレフィンなどに木目印刷等を施し、合板基材と接着加工した床材
③挽き板フローリング[複合フローリング]
天然木材を2ミリ程度で挽いた板材を合板基材と接着加工してできた床材
④無垢フローリング[単層フローリング]
木材の一枚板をフローリング用に加工した床材
●クッションフロア
塩化ビニル製で衝撃を和らげる効果に優れた床材です。防水性が高く、水回りやキッチンの床材としてよく使用されます。コストを抑えたい方やペットが同居している家庭におすすめです。クッションフロアは、カッターやハサミなどでも作業できるため施工も簡単。滑りにくく掃除が楽なので、ペットがいるお家におすすめです。ですが、高級感や洋風のイメージには合わないかもしれません。
●畳
主にイグサとワラで作られていて、耐久性、断熱性、保温性に優れた床材として日本では、昔から使用されています。和の空間づくりには欠かせないものです。最近では建材の技術革新により、再生資源を活用したエコ素材や発泡樹脂系の素材を合わせて軽量化を図ったハイブリッドタイプの畳床など、畳は多様化しています。最近は洋風のお家にもマッチするカラーバリエーションも人気です。
①い草畳
鮮やかな緑色が特徴的で、ふわっと包まれる草の香りがします。自然素材ならではの調湿効果もっていて、香りの成分がリラックス効果を与えてくれます。また、クッション性も高いので、防音や小さなお子様を遊ばせるのに最適な素材です。ですが、デメリットとして日焼けによる退色や、ダニ・カビなどのハウスダストにも注意が必要です。
②和紙畳
い草のデメリットを克服するために和紙を素材として開発された畳です。和紙を巻いて編み込んでいます。そこに樹脂コーティングを施しているので、撥水性も高くなっています。い草畳と違いダニ・カビの発生や退色もしにくくなっています。
また、床暖房にも対応できます。デメリットは、香りがないことや、質感が硬く、ヘコミが戻りにくい、縁がないので痛みやすい点もあげられます。
③琉球畳
琉球で栽培された「七島イ」と呼ばれるい草を二つに分けて編み込んでつくります。新品は表面がザラザラして毛羽立っていますが、使い込むほどに柔らかくなります。手作業で生産されているため、本物は稀少性が高いものとなっています。
近年は、正方形の縁なし畳全般を「琉球畳」と指し、和紙や化学繊維、一般的ない草を使用している畳もまとめて琉球畳とよばれています。
●カーペット
カーペットは、毛、ナイロン、ポリエステルなど、いろいろな素材から作られています。柔らかな肌触りで衝撃吸収効果もあり、住居の洋風化が加速した高度成長期に一般家庭に広く普及した床材です。カーペットのクッション性は、あかちゃんや高年齢の方に最適です。
●フロアタイル
フロアタイルは、内装用としては、ポリ塩化ビニル製が主流です。ポリ塩化ビニルタイプは扱いが簡単なことからDIYでも人気の床材で、木目調、大理石調など表面のテクスチャーやカラーバリエーションも豊富です。価格も安くお手入れも簡単です。
●石材
見た目が美しく高級感が漂う大理石や御影石を使った床材です。
床に使用される石材の種類は、「天然石材」と「人工石材」に分かれます。天然石材の中で主に建築用として使われるのは「大理石」と「御影石」の2種類です。
①大理石
石灰岩の一種で独特のマーブル模様と光沢、高級感あふれる質感が特徴です。外見の美しさで人気がありますが高価です。石材の中では柔らかめなため雨風や酸性雨に弱いので、建築用としては主に室内で使われています。
②御影石
花崗岩(かこうがん)とも呼ばれる火成岩(マグマが冷え固まってできた岩)の一種で、定番のまだら模様をはじめとする多種多様な色柄を持った外見が美しい石材です。石材の中でも硬度が高めで、耐久性・耐水性に優れているため、時が経っても風化しにくいという特徴があります。また、墓石に使用されることでも知られ、場所を選ばないので建築用にも使われています。
③人口石
人工の石材には、粉砕した天然大理石や他の石材にセメントや樹脂を混ぜ固めた「人造大理石」、大理石の成分は含まれていないものの、人工樹脂を固めて大理石のような質感を持たせた「人工大理石」があります。
床材を選ぶポイント
①そのお部屋をどう使うか
素足で歩く、座る、寝転ぶなど、お部屋の過ごし方や使い方、家具との接触具合を考慮しましょう。
②床材の特性、機能性から種類選定
濡れやすい場所はビニル系、くつろぎの場所は繊維系といった用途に合わせた素材や、メンテナンス性や機能性を考慮します。
③歩行感、足ざわりなどをチェック
滑りやすさ、触れた時の感触、クッション性などを体感しておくと安心です。
④柄や色を決める
家全体のインテリアスタイルや部屋ごとのバランスを考えて決めていきます。
⑤まず、フローリングで考える
いろんな種類の床材を考える前に、まず、フローリングでイメージしてみるといいです。
フローリングには、貼り方によるデザインのバリエーションがたくさんあります。・
・乱張り(乱尺張り)〜フローリング材の長さの違うものを組み合わせて張る方法。最も一般的な張り方。
・りゃんこ張り(千鳥張り)〜同じ寸法のフローリング材を、一定にずらして張る方法。半分だけでなく、尺でずらす場合もある。りゃんこ(両個)は2個の意味です。
・すだれ張り〜同じ長さのフローリング材を、巾方向の接合面を揃えて張る方法。
・朝鮮張り〜朝鮮半島の古い民家の板貼り床によく見られる。特に韓国は松など曲がった木が多く、直線的な材が取れなかったため短尺材を組み合わせています。
・斜め張り〜壁に対して斜めに張る方法。壁面でも見られる張り方。
・寄木張り(よせぎばり)
■ヘリンボーン/ニシンの背骨の形に似ていることからヘリンボーンと呼ばれます。日本では杉綾模様、矢羽型ともいいます。
■市松張り/正方形を交互に配した張り方。市松とは、江戸時代の歌舞伎役者、初代佐野川市松がこの模様の袴をはいていたことに由来しています。
この他にも、ロアンヌとかオデッサといった貼り方もあります。フローリングでイメージして、ちがった雰囲気や使い方を考えた時に他の床材を考えていくと考えが整理されて、いい結果になることが多いです。
床の色が与える室内の印象
床の色として代表的なものは、「ナチュラル」「ホワイト」「ブラウン」「ダークブラウン」「グレー」です。
●ナチュラル
ナチュラルカラーを用いると自然な雰囲気になります。フローリングだと木の風合いをダイレクトに感じさせてくれます。
さまざまな家具や壁紙との相性が良い色です。
●ホワイト
ホワイトの床色には、「明るさ」や「清潔感」、「開放感」をもたらす効果があります。光を吸収せずに反射してくれるため、空間全体が広々と爽やかに感じられます。どんな色の家具とも相性がよい床材の色です。
近年、白いフローリングが、人気です。ですが、塗装によるカラーになるので、フローリングならではの風合いは、多少そこなわれることがあるようです。
●ブラウン
ブラウンはナチュラルよりも色味が濃いですが、視覚的にはそれほど重い感じにはなりません。それでいて、重厚感があり、シックで落ち着いた空間になります。ホワイト系の壁紙に合わせると濃淡がはっきりと生まれ、ブラウン床との相性はとても良いです。ブラウン系の家具を置くと、お部屋全体が温かい見た目の印象になります。
●ダークブラウン
空間全体を「高級感」と「上質さ」で満たしてくれます。視覚的には重みのある濃い色合いですが、落ち着いた印象をもたらします。住む人の年代も選ばず、「高級感を演出したい」という方にぴったりです。
●グレー
薄い色味のグレーは、視覚的には明るさがある反面、ホワイトやナチュラルと比べるとクールで洗練された印象があります。選ぶ家具次第で雰囲気が変わり、木製の家具を選ぶと温かみを感じさせてくれますし、黒やホワイトなどの単色の家具にするとクールな雰囲気になります。
レンガを使ったアプローチ
レンガのアプローチとは?特長とメリット
レンガを室内の床に用いることは、日本では、あまりなじみがないかもしれませんが、海外では、靴を履いて生活することが主流のため、レンガを用いた床もたくさん使われます。
日本では、レンガの床は、門から家までのアプローチや、釜などを設置する際の床には使用されます。どちらかというとインテリアというより外構の一部として用いられることが多いです。
レンガは、レンガは断熱性に優れ、暑さや寒さを軽減する効果があります。 そのため、冬場にアスファルトが凍るようなケースでもレンガ敷きのアプローチは凍結していないこともあります。 また、厚みのあるレンガは遮音性に優れ、周囲の音を遮断する効果が期待できます。
こうした、特性が、アプローチをはじめとした外構に採り入れられている理由です。
土間やタイル、洋風のお家にあるべき床とは?
前述のように、完全に洋風のライフスタイルをもっていると、レンガや石材の床をとりいれても、生活に違和感や不便を感じないかもしれません。ここ日本で洋風のお家を目指すときには、少し馴染まないかもしれません。ですが、近年流行の土間やバリエーションが多彩で水回りやキッチンの床に使うことに人気のあるタイルは、洋風のお家に最適な素材となります。
もちろん、インテリアは、床だけではなくトータルで考えていくものですから、全てが洋風のイメージということではなく、最終的な完成形が、洋風のお家であることが大切です。
床に目が行く施工例
北欧スタイルのかわいいお家(1stBASE-026 S様邸)
白いしっくいの外壁と黒いサイディングが特徴の北欧スタイルのお家。
鈴鹿山脈の大自然にとても合うデザインですね。
パパにいってらっしゃいができるようにと玄関に設けた小さなドア。小さなドアの中は階段下を利用した子供たちの遊び場です。
仕事から帰宅したご主人様が室内に入ることなく脱衣所へ着替えに行ける間取りになっています。
リビングダイニングキッチンは一体的に使えるように直線状になっています。ナチュラルな色のキッチンには大きなパントリーがあり細々した物から大きな土鍋やホットプレートまで収納できるようになっています。
子供部屋も北欧スタイルの色使いで落ち着いていますね。
ワンちゃんのお部屋の上にはワンちゃんの道具入れの収納もあります。
子育て世代にうれしい、いろいろなアイデアが満載のお家になっています!
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焼杉の和モダンなお家(1stBASE-017 S様邸)
玄関ポーチのダブルアーチが素敵な片流れ屋根のお家。右側のアーチの奥が玄関ドア、左側のアーチの奥にはアウトスイングのフレンチドアがあり、室内では大きな土間スペースでつながっています。
焼杉を使用した和モダンな室内は落ち着く空間に仕上がっています。またエントランスには屋根の形状を利用した大きな吹き抜けがあり訪れたお客様をリラックスさせてくれます。階段は焼杉のモダンな室内の雰囲気に合うようにストリップ階段を採用しています。ストリップにすることで開放的な空間がより際立ちます。
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古き良きアメリカの邸宅(レンガの家-008 S様邸)
古き良きアメリカの邸宅をモダンな感覚でデザインした住まいです。建物全体をレンガで施工しおおらかさのある重厚感を醸しだしています。R型のドーマーをファサードのアクセントにしながら暮らしの温もりを優美に演出しているのもデザインの特徴です。
天井高さを3mにしたことでゆったりとした空間の中で優雅に爽やかに暮らしを楽しめます。ミルキーホワイトのキッチンは大きく日々の暮らしを楽しませてくれます。
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穏やかな時が移りゆく普遍的な佇まいの家(1stBASE-035T様邸)
手積みレンガと塗り壁仕上げの風合い、ラウンド状のオーバーハングがバランスの良い外観を形作る二世帯住宅です。
長期的な居住を見越して耐久性を優先した二世帯プランは、階層分離の完全二世帯でプライバシーも保たれています。厚みのある無垢フローリング、吸音材は防音性を高めていて、世帯の気兼ねのない独立した生活リズムを確保できます。共有スペースの書庫と家事空間も兼ねたパントリーがこの家の特長で書庫は落ち着いた瀟洒な空間。物が上手に整頓された家は気分的なゆとりから生活の質を高めてくれます。
さらにご家族と共に暮らす猫ちゃんのためのキャットウォークや専用ドアなど快適に過ごせる工夫も随所に施されています。
春にはフェンスやアーチに伝うクライミングローズやアンティークレンガに映えるオールドローズが一段と華やかな印象にお住まいを変えてくれるでしょう。
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後悔しないお家づくりのために
お家つくりの後悔を減らすために、床を知ることも大切です
お家の購入は、人生のうちに何回もあるものではないといわれています。そのせいか、ネットをみると「後悔した」という声がとても多いです。建売の場合でしたら、多少は、我慢できるかもしれませんが、注文住宅の場合は、そうはいきません。
高増工務店は、創業以来注文住宅がメインで営業しています。したがって、そうした声は、お客様からだけではなくいろいろなところから聞こえてきます。こうした声を聴かないために、小さなことでもきちんと対応しています。私たちは、納得いくまで打ち合わせをさせていただき、注意点やポイントも全て説明した上でお客様の大切なお家をつくっていきます。
お家づくりの役に立つ情報は、床に限らず、いろいろなものがあります。私たちは、こうした情報の出し惜しみはしません。また、長年の経験から、後悔してしまう可能性のあるようなポイントについては、煙たがられるようなことを恐れず、積極的にお話ししています。
今後も、このコラムや見学会などでお客様に有益な情報、間違いやすい知識など発信していきます。ぜひ、後悔しないお家づくりのためにご活用ください。
高増工務店は、創業以来、半世紀以上多くの施工実績があるので、空間づくりは、経験に基づくアイデアが一番です。こうしたアイデアや施工実績には、「地場のアイデア」もあります。地場のアイデアは、施工エリアの気候や風土、人気や特製などを考慮した提案のことです。設計士が内部にいるので、検討内容を整理して、しっかり考えていただいて、納得のいくお家を提供しています。お家のことなら、新築でもリフォームでもどんなことでもお気軽にお問い合わせください。相談にしたからといって、必ずお家を購入しなくても大丈夫です。オンラインでも対面でも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。資料請求もお待ちしています!
新築はもちろんフォームに関するお問い合わせ、ご相談を承ります。
「お問い合わせ・資料請求」「お家づくり相談」よりお気軽にお問い合わせください。・
また、完成したお家をじっくりご覧いただけるイベントや季節に合わせたイベントも定期的に開催しています。ご都合のよいときにご参加お待ちしています。