COLUMN
コラム

建築壁の中を強化しよう〜趣味のお部屋で心置きなく楽しむために[施工例付]

お家の防音性能は、どこまで必要?
お家を購入するとき、「音」ってどこまで気になりますか?
マンションやアパートでの生活をしたことがある方なら、自分の出す音とともに周りの音も気になりますよね。賃貸物件では、楽器OKのお部屋でない限りは、あまり防音は期待できません。
音楽や映画鑑賞を趣味にされている方は、大きな音で思い存分楽しめるお部屋がほしい!と一度は、考えるのではないでしょうか?書斎やテレワークもするお仕事部屋なども外の音が気にならなかったら、きっと集中できるかと思います。
部屋を防音室にしたいと考える方は意外に多く、一般的な住宅でも導入される例は、増えてきています。コロナ禍の巣ごもり生活を経験した世代には、お家を快適にする傾向が強く、今後も増えていくことが予想されます。
防音には、壁の中の工夫が、大切です。防音材にも種類があって、場所によって使い分ける必要もあります。
また、「壁の中」というと、「断熱材」がうかぶ方もいらっしゃると思います。
今回は、そんな壁の中のお話しです。

趣味のお部屋あれこれ

シアタールーム、楽器演奏室、クラフト部屋に…書斎も


趣味のお部屋は、自分の趣味に没頭できる部屋です。自分の好きなものをおいたり、好きなことだけをするそんなお部屋だから、大人もワクワクと楽しめます。仕事をするお部屋や書斎も没頭するという意味では、集中できるプライベート空間です。
イヤなことがあった日や疲れた日でも、趣味のお部屋で好きなことを楽しむうちに、ストレスや疲れから解放されるでしょう。趣味部屋でひとり時間を満喫していたら、気が付いたら何時間も経っているかもしれません。
ちょっとしたプライベート空間は、階段下とかクローゼットやロフトも設置可能です。ガレージの一部なども、作業するにはピッタリかもしれません。
新しくお家の購入を考える際には、趣味のお部屋をひと部屋もつことも一度考えてみるのも、長い目で見れば、楽しめるお家になるでしょう。
趣味のお部屋と言えば例えば、下記のようなお部屋です。
●ミュージックルーム(楽器演奏部屋)
好きな音楽を聴いたり、楽器を演奏するのが好きな方には、ミュージックルーム。音楽を聴くのも演奏するのも大きな音で楽しめるのは、格別です。エレキギターや、エレキベース、電子ピアノはヘッドホンなどを使う方法もありますが、管楽器やピアノは、やっぱりきちんと音を出すのが、上達の早道ですよね。趣味のCDやレコードなどをずらりと並べるだけでも、テンションが上がります。
●シアタールーム
映画や動画の好きな方は、一度は憧れるシアタールーム。大好きな映画も、自分の家だったら時間を気にせず好きなときに楽しめます。プロジェクターとスクリーンを、こだわりのスピーカーを使用するとお部屋がミニシアターに。ゆっくり座れるソファーにこだわると、映画館とはひと味違う観賞を楽しめます。
●ゲーム部屋
ゲーム好きな方には、ゲームに集中できる部屋。大画面のモニターと複数のスピーカーで臨場感たっぷりのゲームを楽しめます。ゲーミングチェアにこだわれば、疲れずに長時間のプレイもOK。
●読書部屋
本が好きな方には、やっぱり読書部屋ですよね。壁一面の本棚にお気に入りの小説やマンガを並べたら、あとは飲み物置けるちょっとした机やゆったり座れる椅子があれば十分。読書部屋は、壁面の本棚以外は場所を取るものがさほどないので、意外と小さなスペースでもよかったりします。こんなお部屋なら、100冊を超えるマンガを一気読みしたり、大好きな小説の世界に入り込めます。
●トレーニング部屋
トレーニング部屋は、筋トレのほかにヨガやピラティスにもピッタリ。お家で好きな時間にトレーニングできるのは身体を動かすことが好きな方には最適なお部屋。防音を考慮すると、ジャンプするメニューも取り入れられます。
●アウトドア部屋
キャンプや釣り、サーフィンなどのアウトドアが好きな人には、アウトドア部屋がおすすめです。アウトドアグッズは、かさばるものが多く、またどんどん増えていくものです。ひと部屋にまとめて収納すればスッキリ。サーフボードや自転車を天井から吊り下げたら、オシャレなショップみたいになりますね。
●DIY部屋
DIY好きな人は、作業に集中できるお部屋があると、つい籠もってしまうかも。作業デスクが必須ですが、天板が広いデスクにすれば、その下に収納スペースも確保できます。DIYといえば工具が必要ですが、工具は大きさも形もバラバラなので、壁面にフックやバスケットなどを活用して見せる収納にすれば、テンションも上がります。
●車やバイクの部屋
車やバイク好きな人は、車やバイクのそば置いておきたいものです。大切な車やバイクのお手入れをしたいときに気軽にできるのは嬉しいですよね。車やバイクの部屋といえば、ガレージですが、お手入れグッズを収納できる棚やソファーを設置したら秘密基地のような雰囲気をつくることも。
●クラフト部屋
クラフト部屋は、アクセサリーや押し花、手芸などを楽しむお部屋です。作るものによって必要な設備や広さは異なりますが、ゆったりした作業スペースは必要です。収納するものは細かいものが多いので、小分けして収納できる棚や引き出しがピッタリ。さらに、完成した作品を飾れる棚があれば、オリジナルギャラリーにもなります。
●モデル制作ルーム
クラフト部屋と似ていますが、プラモデルやフィギュアを心置きなく作り込める、そんなお部屋です。エアブラシなど揮発性の高い塗料や熱を使った加工なども専用のお部屋をつくると、ご家族にも気兼ねなく作業できます。完成品を飾れるショーケースをおくのも埃を気にせず飾れて便利です。

趣味のお部屋に備えたいもの


趣味のお部屋にあるといいものといえば…
前述の通り、稼働式の棚や使い勝手のいい作業台、長く座っていても疲れない椅子など、後付けでも可能なものが多いです。ですが、最初に施工しておくといいのは、やはり「防音」です。あとから、施工することももちろん可能ですが、費用も余計にかかってしまいます。
防音材など音に関する素材を紹介します。

 

音を防ぐに最適なものは?

壁の防音対策


壁の防音対策は、建物の構造や使用材料、その厚みなどによって大きく変わります。壁の防音で効果を上げるには、音の伝わり方を知る必要があります。
壁への音の伝わり方には、いろいろな種類と関係性があります。
入射音▶音源から発せられる音が、壁や天井などにぶつかっていく音
反射音▶壁や天井などから跳ね返ってくる音
透過音▶壁や天井などを透過してしまった音
吸音▶壁や天井などに吸収される音

そして、防音壁の性能には、遮音性能と吸音性能があります。
防音対策で遮音材だけの施工や気密性を高め過ぎてしまうと、音の逃げ場がなくなり酷く反響する様な空間になります。反対に吸音材だけでは、吸音しきれなかった音は簡単に外へ漏れてしまいます。その為、防音対策で基本となるのは、吸音材で音を減らし、遮音材で音の透過を防ぐことが重要になります。
また、しっかりと遮音された壁でも、その中が空洞であったりすると楽器の太鼓をたたく音の様に響くような壁になってしまう場合があります(太鼓現象)。あと施工の難しい壁には、グラスウールなどの吸音材を充填しておくことが必要になります。

壁を防音する為のイメージ


●遮音材/音を遮る材料
遮音は空気中を伝搬する音波を遮ること(音を透過させづらくすること)です。壁を厚くする、気密性を確保するなどになります。
●吸音材/音を吸い込む材料
吸音とは多孔質な材料などに音が入り込み拡散することで、気泡面での空気の粘性摩擦を生じさせます。そして、音のエネルギーを熱エネルギーに変換させ、反射音を小さくすることです。
こうした性能を持った材料を使い、壁の加工をします。
①音響壁材(仕上げ材)
防音壁材でよく知られているものは、前述の性能を持つ、主に貫通孔加工がされた吸音壁材です。また、金属パネル等に微細孔を開けて音のエネルギーが通過する際に吸収する吸音壁材もあります。
一方で、響かせたい場合には、音を広げる機能に特化した拡散壁材も必要です。この様に部屋で発生した音のエネルギーを吸収したり、拡散したりするので基本的には表面に施工される建材となります。
ですが、後述するクロス下地吸音材のような音響壁材(下地)もあります。吸音と拡散建材は取り付けるバランスが大事になります。使用用途に最適な音響環境を作り出すにはこれらの建材を組合せます。
②音響壁材(下地)
防音壁材にはクロス仕上げで吸音効果を持たせた音響壁材(下地)もあります。この建材を使用する際のポイントは音のエネルギーが通過しやすい織物クロスを使用することです。吸音下地材は多孔質素材なので通り抜けた音のエネルギーを多孔質素材が吸収する仕組みです。
③遮音壁材(下地)
防音壁材の中には、遮音パネルや遮音シート、遮音マットのような遮音専用の下地材もあります。ですが、遮音下地材だけでは部屋に音がこもってしまうので、音響壁材や吸音パネル(後付け)などと組み合わせて使用するのが一般的です。
④吸音パネル(後付け)
吸音パネルとは、主に既存の壁に後付けする吸音壁材です。基材には高密度の不織布やグラスウールなど吸音効果があるものが使用されるのが一般的です。後付けなので、完成後取付けることを前提に検討する場合や、完工後響きすぎてしまった場合などで大がかりな工事を行いたくない場合の改修工事などにおすすめです。
デザインは、シンプルなものからファブリック調のものまで様々あります。
こうした施工は、正直にいって、キリがありません。したがって、予め、どのくらいの防音が必要か決めておく必要があります。

断熱材は防音になる?


「壁の中」を考えるときに、防音とともにあげられるのは、断熱です。
冷気でも暖気でも熱を遮る効果を持つ断熱材は、さまざまな種類があります。
断熱材の中には、防音性能を持つものもあるので、主に遮音材として使われることもあります。
二つの効果をいっしょに考えることも効率化を目指す上では、大事なことです。

 

趣味を存分に楽しむお家[施工例]

音楽家が集う防音室のある平屋のお家(1stBASE-022 O様邸)


白い外壁にレンガのアクセントがよく似合う平屋のお家。
家の前は植栽や畑を楽しむスペース(写真は、外構施工前です)。休日はお子様たちと育てた野菜でBBQを楽しめます。
オーナーは、お家を建てる前までスタジオを借りて演奏をしていましたが、今ではご自宅でゆっくり仲間たちと練習ができるとのこと。時間を気にせず、音漏れだけでなく、外の音も気にせず趣味の音楽を楽しむことができるのは羨ましいですね!ドラム、管楽器、弦楽器、ピアノなどなんでもいける防音室は特別な空間です。
お家の中は、蓄熱式の床暖房が施工されているのでオープンなLDKもポカポカでとても暖かいです。床からじんわり暖かくなるので寒がりの方や冷え性の方には最高です。また部屋の温度差もなくなり、ヒートショック対策にもなるので高齢の方には体に負担がかからずよいかもしれないですね。
敷地まわりには建物も少なく鈴鹿おろしの風が吹きさらすので、室内が暖かいのはとてもうれしいです。
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。

大きな屋根と煙突が特徴的なレンガのお家(レンガの家-004 K様邸)


レンガをふんだんに使用したレンガ積みのお家です。
大きな煙突とレンガの妻飾りが特徴的で、駐車場の壁、お家に向かう階段周りもすべてレンガなので、英国の建物を想像させる印象的な外観となっています。
屋根には、複数の天窓を備えていて、室内にふんだんに光を取り込むのはもちろんですが、夜には星空も眺めることのできる贅沢な空間です。また、屋外駐車場とともに地下にも数台駐車できるようになっているため、季節に合わせて駐車場所を変えたり来客用にも十分な駐車台数を確保しています。
パティオもあるので、休日にはご家族や仲間とBBQを楽しむこともできます。
リビングの壁には、暖炉を想わせるストーブスペースをレンガ積みにて制作。暖炉として設置すると、メンテナンスコストがかかるため、サイズの大きな薪ストーブを中に組み込めるようにしてます。薪ストーブは、暖炉の雰囲気には、及ばないものの、炎を眺め癒やされるには十分なテイストをもっています。薪ストーブは、経年劣化のさいには、交換することも容易ですので、メンテナンスコストは、暖炉よりも経済的かもしれません。
ほぼ一面をレンガにすることで、リビングルームのアクセントと洋風のお家の象徴的なインテリアになっています。
高さのある腰壁には、落ち着いたブルーのパネルを使用。おしゃれな室内演出になっています。
ベッドルームからの移動も考え、バスルームは2階になっています。輸入浴槽に加えシャワーブースが、独立しているので、シャワーだけの使用にも便利です。
キッチンには、作業用のアイランドを備え、複数人で作業してもゆったりです。
地下には、防音の音楽スタジオがあります。地下に設置しているので、地面が防音材代わりにもなっています。(もちろん、防音施工もしています)広さも十分なので、複数人でのセッションも楽しめるスペースです。
木製の階段に加え、階毎の移動もスムーズになるようにエレベーターも完備しています。
実は、土足で生活できるようになっていて、まるで海外にいるような生活を楽しめます。
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。

海の似合うアメリカンなお家(1stBASE-016 M様邸)


ヨロイ柄サイディングを採用したアメリカンな平屋のお家。
すべての部屋から伊勢の海が望める、毎日の暮らしが優雅に送れるプランになっています。ブルーグリーンの外壁が、海のそばのお家にマッチしています。
釣り好きなご主人専用のキッチン、釣り道具入れ専用の収納そして釣り道具を洗う場所を兼ね備えた釣り好きには夢のようなお家です。奥様専用のキッチンもありますので魚をさばくときの汚れを気にする必要はありません!贅沢な趣味のお部屋ですが、ご主人だけでなくご家族みんなが満足していますとのこと。
パティオもあるので、休日には家族やお友達とBBQを楽しむことも。
室内は、アーリーアメリカンのお家の内装のような、可愛くてオシャレな空間です。
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。

パティオとリビングが一体的に使える平屋のお家(レンガの家-007 グランコート)


地下室のある平屋のレンガのお家です。
外観の煙突からもわかるように、リビングには大きな暖炉を設置しています。暖炉周りのマントルピースはレンガをもちいて、壁から柱まで1面をレンガになっているので、空間のアクセントとしても機能しています。天井は木を用いて温かみのあるイメージになっています。煙突が二本あることからもわかるようにゲストルームにも暖炉を備えています。こちらのマントルピースは、大理石調。燭台などをおくことで、洋風のイメージを膨らませています。
壁は白を基調としていて、各部屋に大きな窓を備えているので、たっぷりの採光を実現しています。
トーリス式の柱を随所に用いて、欧風のインテリアの雰囲気を盛り上げます。
パティオ(中庭)には、リビングから段差なしに移動でき、アウトドアリビングとして、ご家族や来客者の憩いの場として利用されています。
地下室は、防音バッチリで、映画鑑賞、フィットネス、カラオケにも使えるプレイルーム的なお部屋になっています。多目的に使えるので、ほかにも趣味が増えた時に有効に使える空間です。
このほかの画像は、こちらのページをご覧ください。

 

こだわりぬいたお部屋も生活の糧

趣味を心置きなく楽しめるお部屋の重要性


防音というと、どうしても自分の出す音が気になってしましますが、周囲からの生活音が耳にとどかない静かな空間をつくることも大切です。音の発生元はいろいろだと思いますが、そうした生活音から切り離された空間は、安らぎのある大事な場所になるかもしれません。
機密性の高い、クルマでの移動中は、適度な温度にたもたれ、外の音も気にせず、カーステレオで大きな音で音楽を聴いても移動しているので外に迷惑をかけることもありません。そんなクルマの中が、一番落ち着くという方も少なくありません。お家購入の際は、そんなお部屋も考えてみたらいかがでしょうか?
限られた敷地、限られた予算の中で、趣味専用のお部屋を設けることは、とても贅沢なものと考えるかもしれません。ですが、お家を疲れた心身を休め、明日からの活力の充填の場所とするなら、喧噪から離れて好きなことを存分にできるリフレッシュスペースも大切です。
高増工務店では、そんな制限のある条件でも、たくさんのアイデアで納得のいく着地点を目指します。そんなお家づくりをお考えの方、他店に相談してみたけど、満足のいく応えがえられなかった方、ぜひ、一度高増工務店にご相談ください。


新築はもちろんフォームに関するお問い合わせ、ご相談を承ります。
「お問い合わせ・資料請求」「お家づくり相談」よりお気軽にお問い合わせください。・
また、完成したお家をじっくりご覧いただけるイベントや季節に合わせたイベントも定期的に開催しています。ご都合のよいときにご参加お待ちしています。

<  | COLUMN 一覧 |  >